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ガルバリウム鋼板屋根のメリットとデメリット

ガルバリウム鋼板屋根のメリットとデメリット


1)ガルバリウム鋼板とはメッキされた金属板

ガルバリウム鋼板は、鋼板の表面を亜鉛、アルミ、シリコンでメッキしたもので「耐食性、耐熱性、熱反射性、加工性」に優れています。

  • 耐食性
    鋼板の錆を遅らせる機能を持っており、亜鉛のみでメッキされた鋼板(トタン)よりも3~6倍の耐食性が期待できます。大気汚染や酸性雨等が原因の腐食劣化が起こりにくいと考えると良いでしょう。

  • 耐熱性
    アルミニウムの含有率が高いため優れた耐熱性を持っています。アルミメッキはガスレンジやガスストーブ、車やバイクの内燃機関やマフラーの部品として使用されていることからも、高熱でも変形しにくいといった性質を持っていることが分かりますね。
  • 熱反射性
    亜鉛のみでメッキされた鋼板(トタン)よりも太陽光・太陽熱を反射しやすい特徴があり、表面温度の上昇を8℃~23℃程度に抑え、室内の温度上昇を防いでくれます。

  • 加工性
    アルミニウムの特性である加工性の高さを引き継いでいて、折り曲げ等も比較的簡単なことから複雑な形状にも対応できる多様性の高い建材です。

2)ガルバリウム鋼板のメリットとデメリット


ガルバリウム鋼板屋根は断熱性の低さや音の問題、傷に対する弱さなどのデメリットもあります。

しかしそれらは適切な設置方法やメンテナンスを行うことで、トラブルを極力回避し、その耐久性や経済性、デザイン性の多様性など多くのメリットを最大限に活かすことができます。

メリット
優れた耐久性
ガルバリウム鋼板はアルミニウムと亜鉛の合金でコーティングされており、非常に耐久性があるため、高温多湿な日本の気候にも適しています。通常の鋼板よりも腐食に強く、長期間にわたって使用することができます。
軽量性
軽量であるため、建物全体の構造に対する負担が少なく、施工が容易です。屋根が軽いということは、震災時に家屋の揺れを抑えることにとても有効に働きます。単純な見方をすれば、重量がある瓦屋根と比べて地震に強いと言えるでしょう。(ただし瓦屋根も適切な施工を行えばデメリットをカバーし、優れたメリットを生かした屋根にすることが可能です)
経済性
他の屋根材に比べて初期コストを抑えることができます。またメンテナンスに掛かるコストも低く、長期的に見ても非常に経済的と言えます。
耐火性
金属素材であるため、火に強く、火災の際に屋根が燃え広がるリスクを軽減します。
デザインの多様性
建物のデザインに合わせて様々な色や形状に加工できます。現代的なデザインからクラシックなスタイルまで、幅広い選択肢があります。
デメリット
断熱性の低さ
通常の鋼板よりも熱反射性が高いと言っても金属製のため、断熱性能が低くなります。
夏場は屋根が高温になりやすく、冬場は冷えやすいです。適切な断熱材との併用が必要です。
遮音性の低さ
薄い金属製の板なので強い雨や雹が直接当たると音が響きやすいです。適切な防音材との併用が必要です。
傷に弱い・潮風に弱い
表面に傷がつくと、その部分から腐食が進行して錆が発生します。施工やメンテナンス時も傷がつかないよう注意が必要でしょう。同じく錆が発生しやすい理由から潮風が多く吹く地域などには向きません。
施工技術の要求
ガルバリウム鋼板は風や雨水の侵入を防ぎ断熱性を高めるためにきっちりと隙間なく施工しなければいけないため、結露が発生しやすいです。
結露は住宅の腐食にも繋がってしまうため、適切な対策が必要です。施工には専門的な技術と経験が必須といえるでしょう。
見た目の劣化
長期間使用すると、塗装が劣化して見た目が古びてくることがあります。定期的なメンテナンスが必要です。

3)リフォームだけではなく新築屋根でも

地震に備えて屋根をガルバリウム鋼板にリフォームする方が増えています。屋根が重いと建物が大きく揺れやすく、倒壊するリスクが高くなるからです。

もちろんリフォーム時だけでなく、新築時にガルバリウム鋼板を選ぶことにもメリットがたくさんあると言えるでしょう。

適切にメンテナンスを行えば長期間にわたって使用することができるガルバリウム鋼板はリサイクルが容易な素材であり、環境に配慮した建築材料ともいえます。

そして多様な色や形に加工することが可能なため、希望に沿った外観の建物がデザイン可能となるでしょう。

4)張り方で性能が変わるガルバリウム鋼板

不適切な施工は騒音や温度変化に悩まされる結果となるため、張り方には注意が必要です。

適切な施工を行うことで、ガルバリウム鋼板は耐久性が向上し、長期間使用することができます。また内部損傷の原因となる雨水の侵入を許さないように適切な防水施工も必要です。

夏は涼しく冬は暖かい室内環境を実現するには、断熱材を適切に併用することです。それによって冷暖房コストを削減することが期待できます。

またガルバリウム鋼板は雨音が響きやすい特性があるため、防音対策として防音シートや断熱材を併用して音の伝わりを軽減させることが重要なポイントになります。

5)ガルバリウム鋼板の錆

ガルバリウム鋼板は通常の鋼板よりも高い耐食性を持つものの、錆が発生しないわけではありません。
表面に傷がある場合や、過酷な環境下では錆が発生します。

特に鋼板の端部や切断面は錆やすいので、補修塗料などを使った保護が必要になります。

施工時に落ちた鉄粉の貰い錆を含め、生活中についてしまった傷(へこみ)にも定期的な点検とメンテナンスが重要です。

海岸地域や工業地帯など、腐食性の高い環境では特に注意すると良いでしょう。

6)メンテナンスと保証

年に1~2回はガルバリウム鋼板の表面を目視で点検し、錆や傷、汚れがないか確認すると良いでしょう。汚れはホースの水や中性洗剤を使って洗い流します。高圧洗浄機は傷をつけないよう極力使いません。

苔やカビを発見した場合は、専用の洗浄剤を使用して除去します。表面に傷があった場合は、速やかに補修用の塗料を塗布して保護します。すでに錆が発生した場合は、まず錆をしっかりと除去し、錆止め塗料を塗った後に再塗装します。

ガルバリウム鋼板の多くのメーカーは、約10年間の保証を提供しています。しかし、製品を加工や切断すると保証対象外となる場合があります。

ガルバリウム鋼板は建物に合わせて加工するのが一般的ですので、使用前に保証内容をメーカーに確認することがベストです。

7)まとめ

「高性能」と言われているガルバリウム鋼板にもデメリットが存在します。

しかし、断熱・防音対策など、経験と実績がある業者が適切に施工することで欠点を緩和することが可能であり、他の屋根材と比較しても耐久性や耐震性、コスト面が優れた建材です。

新築やリフォームの際の屋根材としてぜひご検討ください。


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